そういう人って、演技を二つのタイプに分けてるんですね。
曰く、「描写の演技」と「役を生きる演技」。
「描写の演技」とは、人物の動きを真似たり、描いてみせたりする演技。その演技には拍手が沸くかも知れません。でもそれは、見た目の技術に対してのものであって、演技の中に観客が真実の人間の姿を見出し、共感や感動を覚えているのではないのです。
「役を生きる演技」とは、自分自身と向き合い、自分を知ることで役を知ろうとする演技。自分の役づくりを信じて、今という瞬間を生き、行動する演技です。
あなたは、どちらの演技を目指しますか?と。
わかるんですが、ね。
「型」を全否定するような論調はどうかとおもいます。
だいたい、「役を生きる」って簡単に言いますけど、高校生はたかだか16年しか人間やってないんだから、経験のストックにも限界がありますよ。
その中からどうやって役づくりしろっていうんでしょう。
歌舞伎には「型」というものが存在します。
この「型」というやつは便利なんです。
たとえ役者が頭の中では別のことを考えてても、「型」さえちゃんとできてれば、その人物の「感情」は、お客さまに伝わるんだと言うんですね。
私たちの劇団では、役者が自分の感情に頼るのは危険だと考えます。
「役が降りてくる」という現象を基本的には信じません。
青春の時期にある高校生役者のメンタルを、いったい誰が保証できましょうか。
本番で気乗りがしない場合はどうしたらいいんでしょう。
お集まりいただいたお客さまが、私たちには第一なんです。
どんなコンディションであっても、一定レベルの芝居はご提供できる。こうでなきゃいけません。
そのための準備をしなきゃいけません。
続けて勘三郎さんは言います。
「型」を習得してからが、役者の工夫である、と。
このコトバに激しく同意です!!
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