2018年2月5日月曜日

身体感覚

大型重機のオペレーターさんってスゴイです。
巨大な鋼鉄の塊を、まるで自分の「手足」のように操る。
その感覚たるや素人からすると神のごとし。
何をするにしても「身体感覚」って大事です。
まして自分の「手足」ならなおさら。

身体で感じるってだけなら、それは演劇に特有のものではありません。
寿司職人は手の平や指先の感覚を鋭敏にするでしょうし、音楽家であれば耳をしんと研ぎ澄まそうとするし、料理人は舌の感度を極限まで上げようと努力します。
では役者に必要とされている感覚とは?
それは、自分を取り巻く世界を全身でキャッチすること。
そのうえで自分の状態を変化させていくことなんです。

だから「身体感覚」を磨くトレーニングが必要になります。
自分の全身至る所にセンサーを張り巡らせている感じ。
そのために走ったり、柔軟したり、筋トレしたりします。
運動嫌いな人は、ぎゃぁって思うかも知れませんね。
しかし安心してください。目的はあくまで「身体感覚」です。
いわゆる「運動能力」をアップするのとはちょっと違います。
私たちが目指しているものは、ただの肉体訓練ではありません。
もちろん運動能力も、ないよりあった方がいいんですが。
「身体感覚」を身に着けていない人の芝居は、テキトーになるんです。
運動ができるからって、芝居がうまいとは限らないのですよ。

だからストレッチや筋トレをしながら、私たちは自分の身体と対話します。
頭のてっぺんから足のつま先まで、あたたかい血液が循環していくのを感じます。
どの部位に効いているかを意識しながら、負荷をかけていきます。
自分の身体として使いこなせるように、脳からの指令が全身に行き届くようにするのです。
舞台上で無意識のうちに身体のクセが出てしまう人は、
自分の身体が使えてないんです。

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