エチュードなどの開始時に、手を「パン」と叩きます。
これ、ほとんどの稽古場で見られる光景だと思います。
しかし手を入れる時のお作法というんでしょうか、
「用意!」って声をかけてから「パン」。
「せえの!」って声で「パン」。
「いきま~す」で「パン」。
中には手と同時に「ハイッ!」て声まで掛けちゃったり。。。
え、不要っすよねぇ。手を叩く意味ねーじゃん?って思うんすケド。
その集団によって(流派によって?)さまざまです。
劇団ERAでは、「集中!」と声を掛け、全員の集中を確認してから「パン」です。
舞台上の役者だけでなく、出番を控える袖の中の役者も、スタッフも含めて。
稽古場全体の集中が求められます。
さて、この「集中!」で、いったい何を要求しているのか。
「パン」と手が入ってから「集中」してちゃダメなんですね。
「集中」で「すでにその状況に居る」状態にならなきゃいけないんです。
人物に成り切ろうとか、その状況に居ようとか、まして集中しなくちゃなんて、そういう意識がチラチラしてるうちはあかんのです。
そう考えていたらそれは役者のエゴが出てる状態なんです。
頭で思考するより、身体感覚がちょっとだけ先行している感覚。
身体表現にせよ、台本を使った稽古にせよ、
このような「すでにその状況に居る」という状態が必要です。
「集中」というものは「集中」という言葉を忘れるぐらいでないと成立しないものなんです。
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