2016年4月22日金曜日

創作の方法①

劇団ERAが脚本を創作するときに、まず確認していることがありまして、
それは、その物語を伝えるのに、『演劇』という手段が果たして最適なのかということ。

たとえば「人生、愛こそすべて」という主題をお客様に伝えるとしたら、
わざわざ何時間もの芝居をする必要はありません。
俳優が舞台に登場するやいなや、「人生、愛だぜっ、愛!」と叫んで、ハイ緞帳。
いやむしろ、わざわざ俳優が出てくる幕すらなく、
「人生は愛です」と書いたパンフをロビーで配って、それで帰ってもらう。
これでOKです。
『演劇』という、非常に制約の多いメディアを選ぶ必要はありません。

つまり、どうしても俳優が舞台に出て行かざるを得ないような、
俳優の肉体が必要とされるような脚本でなければ、
板にかけるわけにはいかない、と考えているのです。

だから、
モノローグはなるべく使いたくない。
なぜなら、
モノローグって便利だから。
キャラクターの心理なんかもセリフで簡単に説明できちゃいますからね。
(登場してくる俳優がことごとくモノローグする芝居には驚愕しました)

でもそこを芝居で説明したいのですよ、われわれとしては。
そうでなければ俳優がおのれの肉体を晒して『演劇』する意味がない。
だから、
俳優はフィジカル面も鍛えなければならないのです。
よりよく表現するために身体能力を磨かなければならないのです。
まっすぐ大地に立つことを重要視しているのは、そのためです。