2021年1月15日金曜日

オンライン部活









さて、引き続き意味なし画像です。

どこの学校にもある教室セットですね。


二人のアイデアの弱点がもうひとつ。

新型コロナ禍の中での上演を想定していますか?

両者ともに「闘う」場面がありそうじゃないですか。

それは密にはならないのか。

役者が密にならない戦闘シーンって?


キャストの人数も考慮しなくてはいけません。

男女1名ずつだということを。

二人がまぁ闘うとしてですよ、

役者二人の舞台上での距離を保つ必要があります。

離れてバトル? 目からビームでも出しますのん?

赤胴真空斬りでも出すんですかい?

稽古中も密を避けられるようにしないとね。


コロナを意識しなければならない。

とはいえ、直接的に取り扱うことは避けたい。

弊社はそういうのやらない流儀なんです。

そういうのは誰か別の方々に一任します。

みんなで力を合わせてこの局面を乗り切りましょう、みたいな。

文部科学大臣推薦、よいこのJISマーク、みたいな。


弊社の社員ならわかるよね、そういうの板に掛けたいですか?

それって楽しい?

いや、自分たちじゃなくてさ、お客様がよ。

ただでさえ現実の生活でコロナに追われてるのに、

舞台見に来てまたコロナかよ。


条件はこれ↓だけです。

1)客席と舞台のソーシャルディスタンスを保つ。

2)役者二人の間にもソーシャルディスタンスを保つ。

両者ともアイデアをより磨き上げて再提出してください。

できれば部分的にでも台本形式で拝見したいものですね。



あ、あとそうだ。

3)「平和」と「動く」をセリフで処理しないこと。

4)世界観を説明するための芝居にはしないこと。

設定に凝るのはいいんですが、説明することに躍起にならないで。

ラノベじゃないんだからね。


それからついでに、

5)「確か…」とか言いながら妙な間を空けないこと。

6)「そういえば」で安易に話題を変えないこと。

7)相手の名前を呼ぶのに必然性を持たせること。

ま~ぁこの辺の話はまた機会を改めて。

注文が多くなりました。

でも大事なことなのでここに書いときました。


2021年1月11日月曜日

まずは感想












何も載せる画像がなかったので、この寒いのに阿里山烏龍ミルクティーを。

意味なしです。


冬休みの課題として、部員の二人には新作のアイデアを考えてもらいましたよ。

以下、内容には深く突っ込まずに感想を述べてみます。

二人とも演劇のことなんてほぼ知識ゼロですから、期待大です。

変に舞台の約束事とか知っちゃう前に、自由に発想してもらおうという計画です。


まず、若者の可能性を感じましたね。

そもそも、書いてきたことに驚きです。

正直に白状しますと、書けないと思ってました。


どれどれ、拝見しましょう。


ふんふん……




なるほろ




あー、そうきましたか。

(パタン)


え~、

二人ともSFお好きなんですか?

う~ん。

しかし、残念ですが……

その設定はありがちです。

というより、

実は、そのアイデア、

劇団ERAの過去作品の中で、

すでに扱ってます。

いやむしろ、ナツカシイ!

いくつかの作品が連想されますね~。

いいえ、だから「ダメ」 っていうわけじゃぁありませんよ。

なにせ50作品超ありますから、

アイデアが被らないようにするのは難しい。


素人が斬新な設定を思いつくのって、なかなか大変ですよね。

しかもヘタに難しい設定をすると、説明にムダな時間を割かなきゃならない。

だから、設定はありがちなものの方が、むしろいいと思います。

大切なのはその設定を「どれだけ活かせるか」 という部分ですから。


あと、両者に共通して言えること。

う~ん、

そのネタは、

漫画で表現したほうがいいんじゃないですか?

あるいは小説とか。

演劇という手法を用いなければならない動機がありますか。

それが一点でもあれば、脚本にする価値はあると思います。


その場面には役者の肉体が必要ですか?

生身の役者でなければ成立しないセリフがありますか?

のっぴきならない動機ってのが、あるかないか。

とても重要だと思います。


あと最後に、

予算的なものも考えないとね。



2020年12月29日火曜日

視座を逆転する

視座を逆転させて、お客さまの立場になって考える。

自分がお客さまの立場だったらどうか、ということを考える。

どんなお芝居を見たいと思うんだろうか。


「予想を裏切り、期待に応える」 という言い回しがある。

人間というのはわがままなもんで、予想通りの展開には月並みの烙印を押す。

といって、期待の遙か上を行くものには拒絶反応を示す。

お客さまに受け容れられる作品を創るのは骨が折れる。

突き放したり、寄り添ったりと、忙しいことこのうえない。


ところで、テーマのことである。


世の中にはテーマが明確にわからないと不快になる御仁が一定数いる。

テーマなんざ、どーだっていいじゃねえか、と、こちとら思っとるんだが。

しかし、厄介なことに(お節介なことに)、

今回はあらかじめテーマが明示されている。

「平和」 がテーマであろうと、「動く」 がテーマであろうと、

弊社がこれまで採ってきた立場はこうだ。

お客さまのインテリジェンスを侮ってはいけない!


たとえば「愛」 がテーマの芝居だったとして、

劇中で登場人物が「愛とはなんだ!?」 と正面切って叫ぶのはどうだろう。

たしかに、これほど明確な伝え方はないだろう。

これなら、メッセージは確実に客席まで届くだろう。

しかし我々はその手法を善しとしない。

客席のニーズはそこにはない、と弊社では考えるのだ。

テーマを直截的に申し述べることは、観客を馬鹿にしているとさえ思うのだ。


今回のようにテーマありきのイベントであれば、

テーマとなっているそのワードはセリフで語らず、

いや、むしろ禁句にするくらいがちょうどいいのだ。


お客さまのインテリジェンスを侮ってはいけない!

大多数のお客さまは、実は語らずともテーマを悟ってくださる。

惜しくも乗り損ねた人が、観劇後にしつこく聞いて来る。

「テーマは何ですか」 とか、眠いことを云うのだ。


BGM : Lady Gaga 『Poker Face』

2020年12月26日土曜日

創作ならなんでもいいってわけじゃない

前回の年内最終宣言、やはり裏切りました。


演劇部員に告ぐ。

次回公演の脚本を鋭意執筆中であろう。

然しその前に、弊社の企業理念について申し述べましょう。

ご存知のように劇団ERAが板に掛けるのは自社制作の演劇台本に限ります。

が、ERA謹製であればなんでもいいってわけじゃありません。

よろしくない脚本はコンペで容赦なく却下します。


最低限セリフは意図通りに届いてほしいんです。

もちろん役者は、そのための努力をちゃんとしなきゃダメです。

声が小さかったり滑舌が悪かったり、

それでもいいんだそれが自分らしさだっていうのはナシですよ。

努力という言葉がダメなら工夫と云ってもいい。

役者の自己満足で終わってはダメだと思います。

お客さまの快適のことを第一に考えてください。

セリフが聞きとれないのって、かなりなストレスでしょ?


意図した通りにセリフが届くように、

脚本の段階から配慮してほしいんです。

セリフのすべてに計算を施してほしいんです。

舞台は日常の延長線であってはならないと思ってます。

「静かな演劇」というものがありますが、

あれだってよっぽど計算されつくしてるんですよ。

教室で友だちとするフッツーの会話をそのまま書いてはいけない。

そんなの高校演劇にでもやらせときゃいいんです。

 

言葉として卑俗なもの、生活感が出すぎるものは避けましょう。

たとえば<スマホ>というワード。

LINE>とか<既読無視>とかにも、抵抗を感じましょう。

だって、自分たちの創造物には美しくあってほしいじゃないですか。

というか、もっと客層を意識しましょうよ、という。

そういう限定的な言葉って、想像の余地がないでしょう。

ターゲットというか、対象とするお客さまの人数が減ってしまうし、

なにより表現の幅が狭くなってしまいます。

iPhone持ちで、LINEやってて、既読無視されるひと、限定になっちゃう。

そこに当てはまる、ちょっとのひとにしか刺さらなくなっちゃう。

だから避けなければならないと思ってます。


そういう意味で云っても、内輪ネタは絶対にやっちゃいけないんです。

お客さんがみんな同じムラの住人じゃないことは肝に銘じるべきです。

CMネタを延々と垂れ流しする舞台がありましたが、

あんなの木戸銭を取ってまで見せるもんじゃないですよ。

演者と観客に共通する文化ってCMしかないのかって、

寂しいというか、送り手の意識の低さに呆れますわ。

みんながみんな同じ文化的背景で生きてるわけじゃない。

そういうのを入れた途端に、その芝居は下品になるんです。


BGM:Newspeak「Jerusalem (Acoustic Session)」