2020年9月9日水曜日

嫁入り道具だど

ウチらは舞台装置も作ります。

こんなのあたりまえだと思ってたんですけどね、

イマドキは舞台装置を外注する学校さんもあるらしいんで、

一応アピールしておきます。

新入団員はいずれ工具類を個人で揃えることになります。

部室にもいくつか置いてありますが、

ここはやはり自分専用の道具を持ちましょう。

自分専用だと、やはり道具に愛着が湧きます。

なにより道具の扱いが丁寧になります。

結果として技術の向上につながります。

というわけで工具類の紹介記事です。

まずはナグリを入手しましょう。
町のホムセンでは扱ってないかもしれません。
舞台屋槌(ぶたいやつち)で検索してポチるのが早道です。
が、しかし高額商品のため「絶対これじゃなきゃダメ」というもんでもありません。
ひとつだけ注意点がありまして、
似たような商品に釘を打つ面に凹凸が入ってるのがあるんですよ。
それだと釘を打ちこんだ時に部材に跡がついちゃうんです。
そういうのじゃないヤツを買いましょう。
反対側はバラシの時に使う簡易的な釘抜きになってますね~うん。
まあパイプハンマーとかいうので十分なんじゃないですか。
あるていど頭に重さがある方が逆に使いやすいですよ。
重さで打ちますんでねえ。
ちなみにナグリの下にあるのは豚革の作業用手袋ですね。
軍手だと滑るんですよねぇ~。
ちょっとぐらいの熱なら平気ですからねぇ~。
灯体も怖くないですよ。シュートの時にも使いますよ。
というわけで豚革を愛用です。


ノコギリですね。
ノコって呼んでますね。そのまんまですが。
安全性と携帯性を考えたらこれ、折り畳み式ですね。
木材をカットするのに使いますのでそれ用のものを選んでください。
画像はちょっと銹びが出てますね。
年季が入ってますよ、もう15年は使ってます。

ドライバーは+(プラス)があればいいですね。
グリップにある程度の直径があると回し易いですよ。
本当はもっと太いのを持ってるんですけどね。
今日はちょっと見当たらなかったみたいです。
自分の工具はちゃんと整理しとかなきゃいけませんね。


カッターはこのぐらいの大きさのものを。
折る刃式のカッターですね。
薄ベニぐらいならこれでザクザク切っちゃいます。
下段のようなダイヤルで刃を固定するものがいいですよ。
そのほうが切る時に安定します。
てことはつまり安全です。


これも手に入れてください。
メジャーです。
目盛りをよく見てからレジに向かってくださいね。
この画像じゃわかりませんが尺スケールが付いてんですコレ。
尺とメートルを併記してあるんですね~、うん。
演劇界隈ではいまだに尺で長さを言ったりしますからね。
舞台の上だと尺の方が便利なんですよ、実際。
この前の稽古で役者ひとりあたりのスペースの話をしましたね。
あれが六尺四方でしたよね。
ええ180センチ四方ですからね。


曲尺(かねじゃく)とも言いますね。
さしがねなんて言いますね。
これがなかったら木材1本切れませんね。
こいつの写真を撮影するのを忘れてました。
工具袋に入ってなかったんですよ。
ということで絵を描きましたけどね~、うん。




肝腎なのは道具を揃えることじゃないんです。
道具は使ってこそ初めて本当の価値が出ます。
そのために正しい使い方を身に付けてもらいます。
10月に入ったらそういった「稽古」もやっていきましょう。
正しく合理的なフォームで安全に効率の良い作業を実現します。
私の祖父は宮大工やってましたからねえ。
幼時からの英才教育ってやつですね~、うん。

2020年9月7日月曜日

史上初をやっております

たいしたことではありませんが…。
振り返れば劇団史上初。
これまでやってこなかったことが異常。

まず、前回のブログでもお知らせしましたとおり、
劇団ERAは秋季地区発表会に参加しません。
新型コロナがこわいからということももちろんあります。
でもそれでボイコットするわけじゃぁない。
いまはまだ客前に出せる状態じゃないんです、
ホンットに。
とにかく未経験の新人ばかりが集まりましたから。
ヤル気だけはあるみたいなのが救いです。

で、今回ですね、画期的なことをしまして、
練習計画表なるものを作成したんです。
この9月はそれにしたがって稽古をすすめております。
実はこれが劇団史上初となります。
大会に出るあてもないままに、ひたすら基礎練習の日々です。
逆にそのおかげで副産物がありました。
ゆったりと毎日を過ごせてるんです。
計画表を作ったのも初ですが、
こんなに稽古そのものが目的化するのは初めて。
なにより気持ちに余裕があります。

もちろんこれまでも大会前にはスケジュールを組みました。
でもそれって大会の日程から逆算して決めた、
いわばノルマをこなすための計画。
ひしひしと実感してます。
今までどんだけ忙しかったんだろう。
ずっと外発的な圧力に追われてきたんだなぁ。
自分たちの意志とは関係なく、
演劇「させられて」いたんじゃないか。

新型コロナの影響で8本の公演がフイになりましたが、
(8本だぞ8本!ひとつやふたつ大会がなくなったぐらいで泣いてんじゃねえよどこかの運動部さんよ)
たしかに現役部員たちには不幸なことですが、
逆に「演劇部」の活動の在り方を考え直す機会になりました。

階段の一番下から一段ずつレベルアップできるよう、
毎日のメニューを月単位で組みました。
初歩の初歩、基礎の基礎から、徐々に身につけられるように。

ひとつひとつの練習に入る前には、
そのメニューを通してどんな能力を身につけて欲しいのか、
以前にやったメニューとどうつながっているのかを、
明確に伝えるようにしています。

ようやくよちよち歩きを始めたばかりで、
現役が成長を実感することなんてまだまだ先のことでしょうけど、
薄紙でも重ねていけばいつか分厚くなることを信じて。
がんばっていきまっしょい!


2020年9月1日火曜日

ボイコットというわけじゃないけれど

やっぱりお客さまを第一に考えちゃいますね。

なぜなら自分たちも最初は客席の側にいたから。

自分たちが舞台から受け取ったものを、

今度は別の誰かに舞台で手渡していく。

それが私たちの仕事だと思っています。


だから下手な芝居は打てない。

高校演劇だからって甘えは許されない。

「♪稽古不足を幕は待たない~」と歌った人がいますけどね、

でもその幕は上げちゃいけないんです。


私たちは圧倒的に稽古不足です。

休校措置が解除されてもしばらくは部活動が解禁にはなりませんでした。

現在いる部員たちも本格的に始動したのは夏休みが明けてからです。

脚本を創作するところから始めると9月末には到底間に合わない。

じゃあ既成の台本を探せばいいのではとおっしゃる?

魂を売り渡すわけには行きませんよ!


もうちょっとだけ時間をください。

劇団ERAは秋季地区発表会を棄権します。



2020年8月30日日曜日

もうアスカじゃない

昔話で恐縮です。

劇団のレパートリーに『MELTING POINT』というのがあります。

2007(平成19)年の秋季地区発表会で上演した作品です。

もちろん創作脚本であることは言うまでもありません。

主人公は天馬アスカという名の高校生。

いきなりですが、彼女の正体はアンドロイドです。

(当時はそういうジャンルの作品も板に掛けてたんですよねぇ)


「天馬」という名でご想像の通りなんですが、

このアスカは、天馬博士の亡くなった娘・明日香をモデルとして造られました。

ちなみに博士はアスカをサーカスに売ったりしません。

死んだ明日香から「記憶」を取り出して、

アスカの「人工知能」にラーニングさせています。


なんやかんやがありまして物語の終盤。

人類を救うためアスカは暴走を始めた原発の炉心に突入して行きます。

自らのボディの融点=melting point も顧みずに。

結果、人類の危機は去り、アスカは融解してしまいます。


ラストで天馬博士の助手である飯田橋が言います。

「また造り直せばいいじゃないですか。バックアップは取ってあるんでしょ?」

これに対して天馬博士が言います。

「技術的にはね。でもそのアスカは、もうアスカじゃない」


何年も乗りまわした愛車を廃車にしてしまったあとで、

たまたま同型の車輌を街なかで見かけたとしても、

そりゃたしかに懐かしいとは思うかもしれないけれど、

でもそれは同じ車ではありませんよね。

ちょっとぶつけてできたへこみ。

アクセルやブレーキのちょっとしたクセ。

機械にも個性があります。

単なる道具だと割り切ることなんてできないです。


あ、でもイズの再生には賛成です。