昔話で恐縮です。
劇団のレパートリーに『MELTING POINT』というのがあります。
2007(平成19)年の秋季地区発表会で上演した作品です。
もちろん創作脚本であることは言うまでもありません。
主人公は天馬アスカという名の高校生。
いきなりですが、彼女の正体はアンドロイドです。
(当時はそういうジャンルの作品も板に掛けてたんですよねぇ)
「天馬」という名でご想像の通りなんですが、
このアスカは、天馬博士の亡くなった娘・明日香をモデルとして造られました。
ちなみに博士はアスカをサーカスに売ったりしません。
死んだ明日香から「記憶」を取り出して、
アスカの「人工知能」にラーニングさせています。
なんやかんやがありまして物語の終盤。
人類を救うためアスカは暴走を始めた原発の炉心に突入して行きます。
自らのボディの融点=melting point も顧みずに。
結果、人類の危機は去り、アスカは融解してしまいます。
ラストで天馬博士の助手である飯田橋が言います。
「また造り直せばいいじゃないですか。バックアップは取ってあるんでしょ?」
これに対して天馬博士が言います。
「技術的にはね。でもそのアスカは、もうアスカじゃない」
何年も乗りまわした愛車を廃車にしてしまったあとで、
たまたま同型の車輌を街なかで見かけたとしても、
そりゃたしかに懐かしいとは思うかもしれないけれど、
でもそれは同じ車ではありませんよね。
ちょっとぶつけてできたへこみ。
アクセルやブレーキのちょっとしたクセ。
機械にも個性があります。
単なる道具だと割り切ることなんてできないです。
あ、でもイズの再生には賛成です。
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