2019年1月10日木曜日

なぜ劇団を名乗るのか?


なぜ劇団なのか?
なぜ創作なのか?

人というものは、永久に恐ろしい孤独である。
原始以来、神は幾億万人という人間を造りたもうた。
けれども全く同じ顔の人間を、決して二人とは造りはしなかった。
人は単位で生まれて、単位で死ななければならない。

とはいえ、
われわれは決してぽつねんと切り離されてはいない。
実際は単位と単位との間に共通を有している。
この共通を発見し共有していくことによって、
永久の孤独を免れることができる。

肉体は永久に共通しないが、感情は共通する可能性を持っている。
演劇は共通を共有する試みとして有用である。
役者と役者の間に共通を発見するための仕組みが、
われわれの「劇団」というシステムなのであるし、
客席との間に共通を発見するための手段が、
われわれ自身のことばで脚本を創作することなのである。

すべてのよい劇には、
理屈や言葉では説明できない一種の美感が伴う。
これを劇の「におい」という。
においは劇の主眼とする陶酔的気分の要素である。
したがってこのにおいの稀薄な劇は価値が少ない。

演劇の目的は単に情調のための情調を表現することではない。
もちろん幻覚のための幻覚を描くことでもない。
同時にまたある種の思想を売り込むためのものでもない。
演劇の本来の目的はむしろそれらのすべてを通じて、
人心の内部で脈動している感情の本質を凝視し、
それを増幅した形で取り出してみせることである。

2019年1月8日火曜日

演劇どうでしょう

きっかけはなんでもいいんです。
ただなんとなくで構わないのですよ。
細かい動機なんて一切問いません。
公演に足をお運びくださいませ。
お客さまにご覧いただけなかったら、
どれだけ稽古しても虚しいだけです。
ぜひ一度、私たちの舞台をご覧ください。


……と、お客さまにお願いするからには、
だからこそ私たちにとって大切なのは、
ご来場のみなさまを失望させないことだと思ってます。
芝居のマネごとをする以上は責任を持たなきゃダメなんです。
お客さまから時間という価値を支払ってもらい、
対価として芝居をお見せするのであるならば、
より高品質なものを披露する必要があるんです。
いやぁ~簡単に言っちゃいましたけど、
これがめちゃんこ難しいのは確かです。
それができれば世話はないのです。

最初はだれでも「不特定多数の匿名の誰か」です。
この見知らぬ誰かを「顔の見える誰か」に変えていきます。
ただチラシを配るだけじゃあ人は集まりません。
だから手段を選んでいる暇はないのです。
とにかくご覧いただくためにさまざまな工夫をする。
時にはモノで釣ることも必要かもしれません。
毎年バレンタイン公演にご来場の方には、
ささやかながらチョコレートをお配りしております。

そして新規のお客さんを獲得するのに成功したら、
次には固定客に育てていかにゃあなりません。

演劇を文化として根付かせたいなら、
集客ということをきちんと考えなければなりません。
演者だけでは成り立たないのが舞台です。
いいえ、あらゆる表現活動は受信者があってはじめて成り立つのだ。
私たちが芝居のマネごとをするからには、
受信者=観客の裾野を拡げる義務があるんです。
見る側の演劇ファンを育てなきゃならんのです。

2019年1月7日月曜日

「サンタ」を掲載しました

平成30年度ハーフタイムフェスティバルで上演しました、
「サンタがうちにやってきた」を、
ERAの本棚に掲載しました。
よかったら読んでやってください。


 まっかなお鼻の トナカイさんは いつもみんなの マーライオン (^^

2019年1月6日日曜日

暗転エピローグ

いまさらですが……、
平成30年11月27日初版発行の
『暗転エピローグ・第1巻』を入手。

ISBN978-4-04-893993-5
以下は帯のあおりです。

声優・生田善子が原作
自身の経験を生かした
ちょっとリアルな
高校演劇コミック!

キャラクターデザインにTiv、漫画担当にパインをむかえた、
所沢市役所超絶協力による高校演劇応援プロジェクト!

ちょっとリアル……なるほろ。
体験談ならそりゃリアルだと言わざるを得ないっスネ。
いくつかの高校演劇部を取材して、
最大公約数を導き出そうとする労力に比べりゃあ、
マチガイない! たしかに。

部活を題材にした漫画ってたくさんありますけど、
圧倒的に運動部を扱ったものが多いですよね。
野球、サッカー、バスケ、テニス、柔道、剣道、
バレーボール、水泳、なぎなた、ダンス etc……。
スポ根って(ちょっと古い?)テーマとしてわかりヤスイし、
なによりちゃんとしたルールがあるから取り扱いヤスイ。
プロリーグのある競技なら主人公の夢も設定しヤスイ。
ある程度の型?パターン?のようなものがあったりなかったり。
はじめは初心者だった主人公。
イイ感じで練習を重ね、試合に臨むが挫折を経験。
友情パワーで努力を積み重ね、ライバル校に見事勝利!!!
漫画の流行で新入部員が増えたなんて現象も。

そこいくってぇと文化部はわかりニクイですね。
特に演劇部は扱いニクイだろうなぁと思います。
コンクールの審査に明確なルールなんて存在しないし、
トップリーグでやってけるほど役者って甘くないそうだし、
高校演劇レベルなら根性無用でやれちゃうんだろうし、
それでいいとは断じて言わないけど、
それこそ学校によって取り組む姿勢はバラバラで……。
多様性ということならこれほど豊かなフィールドはない。
だがしかし、だからこそ実態がつかみニクイ。
漫画や小説や映画などという枠に納まるものじゃない。
と、思ってたんですが。

……ちょっとリアル? なかなかリアルです。