2023年3月22日水曜日

新入生のみなさんへ

新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。

本校の演劇部は、2002年に「劇団ERA」を名乗り旗揚げしました。

以来、演劇の可能性を拡張するため、「演劇実験」を続けてきたエンタメ集団です。

まずは以下の記事をお読みください。

>演劇部のご紹介<

2020年、感染拡大防止のため、発声とダンスが禁止されました。

演劇部の活動は、強制的に凍結させられました。

その煽りを受けて、現在は在校生の先輩がいない状態です

2023年、コロナ5類移行を受け、部員募集を本格的に再開しようと思います。

たしかに、先輩がいないと不便なこと・不安なことも多いかと思います。

しかし、見方を変えれば、それだけ自分たちの考えが重要視される、

自分たちで考え、自分たちで行動する。

つまり自主的な運営が可能だということでもあります。

こちらは、演劇部という「遊び場」を提供します。

みなさんはやりたいことをやってください。

入学して新しくできた友だちもぜひ誘ってください。

悪巧みの仲間は多いほうが楽しいですから。

とにかく大切なのは、ほんのちょっと踏み出すだけの勇気です。


>演劇部の普段の活動<

劇の上演。これはもちろん中心となる活動のひとつですし、それまでの練習の成果を発表する場ですが、実は『それまでの練習』も大切な活動のうちです。

やったことがある人ならわかると思うんですが、ひとつのお芝居を完成させる過程、「それまで」がメチャクチャ楽しいんです。

 発声練習。「全員でそろって大声を出す」というイメージの人もいるでしょうが、大きいだけの声は演劇では使いものになりません。声を意識的にコントロールできるようにします。

 の練習。声が使えるようになると歌がうまくなります。歌がうまくなると耳が鍛えられてセリフ回しがうまくなります。同時に滑舌がよくなります。

 ダンス練習。ガチのダンス部ほどではありませんが、踊ります。基礎から積み上げていきますのでダンスが苦手な人でも安心です。

 殺陣(たて)の練習。安全のためにも打撃と受けの基本的な所作を身につけます。見せるための格闘技なので、経験者にはかえって難しいかも知れません。

 身体訓練。ダンスや殺陣に適応するためのカラダを作ります。筋トレは無理のない程度にやります。カラダが硬くてもダンスや殺陣はできますが、ケガ防止のためには柔軟体操が必須です。これも無理のない方法で行います。ダンスや殺陣に必要な体幹を鍛えることで、舞台での立ち姿がキレイになります。

 シアターゲーム。演劇のワークショップに参加すると、必ずやるのがこれ。簡単なゲームを通じて劇団内のコミュニケーションを促します。このゲーム、お芝居とは関係が無さそうに見えますが、実は演劇の基本的な能力を身につけるのに役立つんです。

たしかに台本も大事ですが日常の練習では使いません。普段はインプロ(即興芝居)を中心に行います。誰か知らない人が書いた台本なんかより、自分がその場で感じたことを言葉にするほうが数十億倍もステキです。それと台本にも著作権がありますので、上演に使うのはオリジナルの脚本です。自分たちでゼロから創作したセリフだからおぼえるのもむずかしくはありません。シロウトの脚本と侮るなかれ。過去の大会では何度も創作脚本賞を受賞するなど、世間的な評価をいただいています。

台本に沿った舞台装置(セット)も自分たちで製作します。主に木材を使用しますが、リアルな素材感を追求します。効果音や劇中音楽も作ります。舞台上で楽器の生演奏もします。必要ならば楽器だって作っちゃいます。衣装も、物語の世界観にマッチしたものが既製品になければ、もちろんデザインから作りあげます。

他にもまだまだ書ききれないものがたくさんあります。演劇という枠組みの中には、ありとあらゆるエンタメ要素が含まれます。だから、やれないことがないんです。一年中、文化祭の準備(とその当日)をやっているみたいなものなのです。

>演劇部は二兎を追い、二兎を得る<

これからの世の中で必要なのはコミュニケーションスキル独創的なセンスです。これらは演劇部でこそ身に付きます。授業では学べません。演劇は一つのものを全員で作る、文化部だけどチームワークが大切なジャンルです。部員同士の仲が良くないと一つの作品は成立しません。演劇部なら仲間とわいわいやりながらチームワークを身に付けることができます。さらに、舞台と客席の間のコミュニケーションについても意識できるようになります。

独創的なセンスは誰にだってあるものですが、磨かなければ宝の持ち腐れです。よりよく表現するためのコツを、演劇部なら無理なく体得することができます。あなたの素晴らしい才能を、ぜひ開花させましょう。

さらに、勉強との両立。むしろ台本を読む作業は、想像力や感性を磨き、読解力を向上させ、学力の土台作りに役立つものです。また、登場人物の心情を汲み取る作業は、実生活においても他人を思いやる行動につながります。青春を勉強に捧げるのも立派ですが、演劇を通してホンモノの学力向上を目指しませんか?


 >こんな人に来て欲しい!<

〇自分の可能性を試したい、というより可能性があるのかないのかを知りたい人。

〇時にはケンカもするが、なんでもわかりあえる、一生の仲間が欲しい人。

〇将来役に立つスキルを、今のうちに身に付けてしまいたい人。

〇自分が楽しみたいのはもちろん、客席も楽しませたいというサービス精神旺盛な人。

〇漫才、コント、歌、ダンス、etc…。とにかくエンタメしたい人。

物語を読んだり書いたりすることが好き、あるいは書いてみたい人。

〇なにか人と違うことをしたい、悪巧みが大好きな人。

量産型の青春なんかくそくらえだ!!! と思ってる人。

学校以外の場所でも活躍したい人、柏の街を一緒に盛り上げてくれる人。

〇そして…、もちろん純粋にお芝居をやりたい人。


詳しい話を聞きたい人は、顧問・沢口(さわぐち)を教員室に訪ねてください。

2022年9月15日木曜日

2022かしわンの感想

まずかしわンダーパレードが
本来に近い形で開催されたこと自体が快挙です
当たり前ではないのだこの光景は
各校ともコロナにも負けず演劇部員がちゃんといる
これも素晴らしいことです

そして「自由」だ!
表現の限界を攻めてきてる
これは演劇なのか
もちろんこれも演劇なのだ

なまじ演劇のイロハなんか知らないほうが
かえって可能性を広げることになるのかもしれません
いまどき作家になるのにラノベしか読んだことがないなんて
当たり前、普通、スタンダードですからね
そこいくとかしわンって
演劇をアップデートする絶好の「場」だと思うんですよね
もっともっと挑戦していいと思いますけどね
まだまだもの足りないのだ

特に「いいね」と感じたところ(全校共通)
ためになる教訓なんかカケラもないところ
内輪ネタがなかったこと
芝居に迷いがないところ
まぁ巧拙はともかくとしてですね
半端な演技力なんかなくていいのだ

逆に「よくないね」もあったりして(ごめんなさい)
パレットに限りませんが
会場の特性に合わせた工夫が必要だと思いました
ステージの高さがないので
客席後方からだと役者の足元はほとんど見えません
ステージに座りこんだり
寝転んだりしたら
まったく見えなくなっちゃいます
そういった点を考慮して稽古をしてくる必要があるように思いますね
あとは声量ですね
正直ちょっと聞こえにくかったです
うしろ(受付かな?)がちょっとざわざわしてましたからね
もっとしっかり共鳴させて聞かせてほしいですね

最後に全体を通してざっくりと
もっともっとチャレンジングな作品が見たいですね
テイストの異なるものが混じってたほうが
「パレード」になるんじゃないかなと思いました

来年もこの素敵なイベントが開催されますように。


 

2022年5月4日水曜日

これだけやっとけばダイジョブってのが通用しない世界

演技なんて恥ずかしい~っ!
と、言う人がいます。
たしかにね、それは、わかる。
大勢の人の前で演技するのって抵抗ありますよね。
でも、それを乗り越えたところに、お芝居の面白さがあるんです。
だから、恥をかかないように、しっかり準備をして、本番に臨むんです。
なにもしないで人前に出たらダメに決まってます。
失敗をおそれて、鼓動は早くなるし顔は赤くなるし。
ドギマギして、たしかにみっともない。
ヘタすりゃ意識がブッ飛んで、、、、。
なによりお客さまに失礼です。

納得がいく演技になるまで稽古すればいいんです。
それだけのハナシです、実に単純。
だから恥ずかしいなんてことはありえない。
そんなことで躊躇してちゃダメですよ。
青春の貴重な時間を費やすにはうってつけだから。
演劇部での経験は絶対一生モンになるから。


演劇の世界ってつかみどころがない気がしますね。
みなさんはどんなイメージをお持ちですか?
セリフを暗記して、決められた順番にしゃべる。
与えられた役になりきって、泣いたり笑ったりする。
う~ん、ある意味で正解なのかも。
(圧倒的に不正解だと個人的には思いますが)
でも、それだけじゃ演劇の全体像を捉えたことにはならない。
はい、私だって全体像が見えてるわけじゃない。
音響や照明、だけでもまだ足りない。
舞台装置も欲しいし、衣装も用意しなけりゃならない。
役者一人ひとりのスキルアップも必要です。
ひとつの舞台を成立させるために準備することは山ほどある。

これだけやっとけばダイジョブっていう正解はない。
もちろん、追求し始めたらきりがない世界だから妥協も必要。
なにしろ決められた時間には幕を上げなけりゃならない。
しかし、幸か不幸か、演劇人にはこだわりの強い人が多い。
いやむしろ、職人気質の人間が集まってるのが演劇界隈だ。
だから、いつも切羽詰まっている。
本番前に時間的な余裕があったためしがない。
高校時代は言わずもがな、顧問となった今に至るまで。
あと一週間、いやあと三日欲しい、って毎回のように。
いやこれホント。

そんなぼんやりとした苦労なんてできない。
やっぱり演劇なんてやらないほうがいい。
なるほどね。
でも、違うんだな。
舞台から見るあの景色は、実際に自分で見てみなければわからない。
客席と舞台の呼吸がシンクロする、劇場全体が一体になる瞬間とでもいいますか。
演劇をやらない人には、どんなに説明してもわからない世界。
苦労があるぶん、得るものもそれだけ大きいと思います。
まぁ今はコロナ禍だから、客席にも制限がかかってますがね。
いずれ落ち着いたら、ゾクゾクの体験ができます。
演劇沼に飛び込むるなら今だと思います。




正解があらかじめ用意されてるほうがいいって人間には向いてないだろうね。

2022年4月30日土曜日

欲しいのはアーチスト気質のそこのあなたです。

新年度が始まり早1ヶ月。
新歓公演の代替動画、ご覧いただけましたでしょうか?
わずか30分弱の長さです。まだの人はぜひ。

先日、1年生がひとり、正式に入部してくれました。
これをきっかけに、もっともっと部員が集まってくることを切に願います。
演劇というジャンルも人数が揃わないと活動が立ちゆきませんのでね。
もしまだ入部を迷っている人がいましたら、そろそろ決心してくれるとありがたい。


【共通の価値観が必須】
いゃしかし、誰でもいいというわけにはいかないんですよ。
まず、部活をする資格のある人でなければ。
つまり、座学では学べないものの大切さを知っている人。
高校生の今しか学べないものがあることを知っている人。
青春時代をいわゆる「オベンキョ」で摩耗させたくない人。
まぁこれは価値観の問題ですからね、オベンキョが悪いとは言いません。
あなたの人生にとって意味があると思うのなら、それはそれで結構。
ただ、ほんとうの「学び」はオベンキョの中にはないよ、と私は考えます。
オベンキョ優先のいい子には、少なくとも演劇は向かないと思います。

オベンキョというのは、受験のために教科書の知識を詰め込む作業です。
志望校に合格するための、いわば短期的な目標にしか役立ちません。
ずばり、ほんとうに大切な「生きる力」なんかじゃない。
それよりコミュニケーション能力の方が大切だよね、ってこと。
そのことがちゃんとわかる人だけ、演劇部に来て欲しいのです。
強く、聡い仲間を探しているのです。


【ほんとうの「学び」とは】
演劇部は、演劇作品を舞台で上演することをめざします。
その活動をする中で、さまざまなことが自然と身につきます。
役者として必要なスキルが磨けるのは当たり前。
通る声が手に入るし、感情の出し入れも意のままにできるようになる。
ちょっとしたダンスができるぐらいの体力、運動神経も鍛えられます。
ガチのダンス部には負けますが、二松で公式に踊れる部はウチだけです。

そもそもウチの演劇部は、上演台本を創作するところから始めます。
旗揚げからこれまでの累計50本以上(再演はカウントせず)です。
物語の構造から文学的にアプローチします。

舞台装置も芝居に合わせて造形します。
主に木材を使いますので、のこぎり・かなづちの使い方もマスターします。
人間が乗っても壊れない安全な装置を造ります。
ホンモノにできるだけ寄せた質感を塗装で表現します。
要するに、美術大学の造形学科がやるようなことをやってます。
作品例をご覧になりたい人はぜひ見学に来てください。
過去の作品で作製した装置をご覧いただけます。


【ここまで読んだあなた】
大型連休が明けたらぼちぼち活動を始めたいなぁと考えています。
ここまで読んで、ピンと来た人は演劇部の門を叩いてください。
具体的には、高校教員室の顧問をお訪ねください。
口数が多いとか口が達者とか、そんなもんは表現じゃない。
内輪受け、部室芸レベルで満足してたら進歩がない。
稽古という裏付けを得て、自信を持って表現して欲しい。
他のどの部活よりも楽しい自信があります。
あ、個人の感想です。
でもやりがいは絶対にある。一番、ある。
日本の演劇を救うのは高校生の演劇です。
ついでに、柏を演劇の街にするのも高校演劇だ。
強くて聡い仲間になってください。