劇団ERAは創作脚本を上演する演劇集団です。
これまでに50本以上の作品を生み出してきました。
創作の方法は作品ごとに事情が異なります。
ひとつとして同じ生まれ方をした作品はありません。
これからもそうやってあれやこれや試行錯誤するはずです。
まず集団創作であることは間違いありません。
誰かが自室にこもって書いたような作品にはなりません。
仲間が稽古場に集まって動いていく中で、
‟熱気”のようなものが床からぼわっと立ち昇る瞬間がある。
そこをすかさず捕らえて脚本にするんです。
【2.5次元について】
そもそも旗揚げのころといいますから2000年代初頭です。
ウチの脚本には‟漫画原作”があるというシャレがありまして。
たとえば演出するときに、
「単行本の14巻57ページの表情ってそうだったっけ」とか
「第37話のカラーページの感じが出せないかナ」なんて。
だからウチがタカラヅカに並ぶ2次元演劇のパイオニアなわけで。
でもベルばら的なものは演りませんけどね。
ちなみにウチでは演出も合議制なんですよ。
とにかく天才とか権力者は不在なんです。
【再び脚本について】
ベルばらは演らないと書きましたが、
ロミジュリも演らないんですよ。
ウチらの演りたいものはそこじゃない。
代々の劇団員たちはその点では意見が一致してました。
でもまぁほとんどの高校演劇部はそうなんじゃないかな。
演るとしたらシェイクスピア作品のパロディとか。
有名な作品をアレンジした作品って枚挙にいとまはないです。
ウチにも『贋作 春琴抄』という作品がありますね。
初期作品にはSFチックなものが多いですね。
死神や魔法使いなどもそのころはまだ登場していました。
それが徐々にそういう‟便利な設定”を嫌いはじめ、
むしろ自分たちの創作に規制をかけはじめ、
やがては‟演劇実験”と称して遊びはじめます。
ある時は登場人物の一人が冒頭から終幕まで一切喋らない。
またある時は登場人物の一人が終幕直前まで舞台装置の下敷き。
音響効果を一切使わないプランだったり、
プレーンな照明だけで勝負してみたり。
舞台の可能性を拡張するという命題を追求する高邁な実験です。
しかしこれが他校には理解されない。
色モノだと認識されているらしい。
困ったモンですが。
