2020年4月21日火曜日

三密を避けたうえでの上演

え~とですね、
ウチら劇団を名乗ってますが、
その実態は言わずと知れた高校の演劇部です。
正式名称が長い(16字)ということもあって、
普段は劇団ERA名義で活動しています。
でも2002年の旗揚げ以来、
明日の演劇界のエースはウチらや!
という気概を持ってやってきました。

えぇ、もちろんわかってますよ、
演劇を本職としているプロに敵うはずないんです。
所詮は必死さ・真剣さが違いますから、
そこはリスペクトしてるつもりです。
「学生」という逃げ場があるウチらは、
やはりどこかで甘えがあるんです。

今回のことで演劇界隈がどうなってしまうのか、
逃げ場のない人たちはコロナ以後をどうやって生き抜くのか、
まったく予測がつきませんけども、
ウチらはウチらのできる範囲で演劇します。
ない頭を振り絞って考えてみました。
これまでの活動の中で、プロの方から学んだことなどを踏まえて。

え~まずは、習近平……?
いやもとい、「集・近・閉」な状況がダメなんですよね。
いわゆる三密というやつですね。
これまでのスタイルは全否定ですよ。
それでは、普段の稽古場である401教室での校内公演を想定します。

1)集
 完全チケット制を導入し、複数回の上演を行います。
 各回10名程度にお客さまを限定します。
 お客さまにはあらかじめマスクの着用をお願いします。
 また入場時には手指の消毒をお願いします。

2)近
 客席として置く椅子を2mの間隔にします。
 ステージと客席の間隔を確保します。
 役者同士が密接しない演出を採用します。
 そういう脚本を創作します。簡単に言うなよオイ!

3)閉
 暗幕は引きますが完全遮光はしません。
 照明効果を必要としない脚本を創作します。だからオイ!
 教室の窓を開けて換気に努めます。

開放された空間ということなら、
中庭で上演するという手もアリですか。
でもそれだとお客さまの密を避けることが難しいか。
もっとも集まれば、の話ですがね。
照明が使えないというなら、音響には凝りたいですねぇ~。
これまで以上にね。

あと、これが一番大事かなと思うんですが、舞台装置のクオリティ。
室内が明るくなるということは、粗が隠せないということですから。
テキトーな舞台装置にお客さまの意識を持って行かれないようにしないと。
近くに寄っても違和感のないリアルな舞台装置を目指します。
これまで以上にね。



発声練習とか、完全に屋外でやらなきゃあかんやつですね。
ソーシャルディスタンスを保ちます。
がんばっていきまっしょい!

2020年4月14日火曜日

あしたのために(その3)

=発声=

さて、呼吸のつぎはいよいよ発声です。
すっと吸って、止めて、細く長く吐いて、また止めて。
できるようになりましたか?

ひとつ言い忘れておりましたが、呼吸は腹式をこころがけてください。
横隔膜を下げることで肺を膨らませてください。

足を肩幅よりちょっと広めにして立ちます。
立位体前屈ぅ~のようなレベルまで曲げることはありませんが、
上体を前に倒しながら吸うといいみたいですよ。
自然と深い呼吸になるみたいです。
声の材料となる空気をたくさん体内に取り込みましょう。

カラダの緊張は強からず弱からずニュートラル。
いわゆる脱力というヤツです。
よくワークショップに参加するとやらされるんですが、
床に寝て脱力するやつですね、あれが個人的に苦手でして、ええ。
「脱力してください」って言われると、かえって力が入っちゃうんですよね。

カラダが緊張しているときには、声帯も緊張しています。
そのままムリに発声するとのどを痛めてしまいますよ。
ウオーミングアップなしでいきなり全力疾走したらダメでしょ?

というわけで、まずはじめにM音(えむおん)というのをやります。
息を細く長く吐きながら、鼻腔にM音を響かせていきます。
イメージは低音で鼻歌を歌うカンジ?
鼻腔で響かせた声はよく通ります。
リキまずに客席に届く声が獲得できるはずです。
 のどからの発声しかできない人が、
 必死に大声を出そうとガンバッてるの、
 聞いててキツいっす。
このM音ですが、お風呂に入ってる時にやるといいですよ。
湿度の高い場所でやると、のどにやさしいみたいです。

小声で子守唄を歌うのもおススメです。
赤ちゃんを寝かしつけるようにやさしく歌ってください。
小声で歌うのは童謡が適していると思います。
個人的には「赤とんぼ」を好んで使っております。
リズムは自分の呼吸に合わせてしまって構いません。
ただし音階だけは正確にお願いします。
これ、セリフ回しがよくなるらしいです。

さて、というわけで、今回の通信教育は「発声」でした。
外出できない日々が続きますが、家の中でできることをやりましょう。
あしたはどっちだ!


BGM:FOURLEAVES『ODORIKO』

2020年4月11日土曜日

あしたのために(その2)

=身体訓練=

呼吸の話をする前に、声帯について触れなければいけませんでした。
みなさんの中にはご存知の方もござりましょうが、
声帯って小さい筋肉なんですね。
だから使う前に(声を出す前に)ウォーミングアップする必要がある。
カラダ全体をあたためる必要があります。
具体的には柔軟体操ということになります。

劇団ERAにおいて柔軟体操というのは、
矛盾した言い方みたいですけど、
体を柔軟にするのが目的ではありません。
自分の体と対話するために行なうものです。
体のすみずみに意識を向けることで、
やがて意識的に動かせるようになります。
意識的に動かすことで体の各部位が協調してきます。
そしてその結果として柔軟性が獲得されるのです。

無理をしてグイグイ曲げたりしては筋を痛めます。
また、激しい筋トレも必要ありません。
それはそれで目的が別にありますけど、
私たちの演劇には無用のものです。
それらは自分の体をモノとして扱うことです。

劇団では以前から以下の動画に合わせて柔軟体操をしてます。
よかったらご覧ください。

【運動しない方も必見!MeseMoa 式柔軟体操。】

https://www.youtube.com/watch?v=FF-hiOzUCYs




2020年4月10日金曜日

あしたのために(その1)


=呼吸法=

芝居にふさわしい声を発するため、
あるいは観客の呼吸を盗むため、
まずは無理のない呼吸法を身につけること。
声を出す前に、まず呼吸。

このさい体の緊張は強すぎず弱すぎず、
ニュートラルな状態を心がけるべし。
いわゆるよい姿勢をとる。
肺からの呼気が軟口蓋にムリなく当たるようにする。

※肺臓いっぱいに息を吸いこむ。
これ以上はムリというところまで吸いこんだら、
そのまま息を止めて2~3秒キープする。
で、苦しくなる手前でゆっくり息を吐き始めるが、
この際、歯の裏側に息を当てるべし。
「ス~」と音が出てしまっても構わない。
むしろ音を出すことに気を取られないように。
ゆっくりながく息を吐く。

 たまにいるんだよ、わざわざ「ス~」って音たてるヤツが。
 嫌いなんだよ、そういう手合いがさ。
 多少かじってきたヤツに多いから厄介なんだわ。
 本来の目的を見失ってんじゃねぇよ。
 ちゃんと息を吐くことに集中しろって思うわ。

吐き切ったらまた2~3秒キープする。
苦しくなる手前で今度は「スン」っと速く息を吸い込む。
(※にもどる)


初心者はいきなり大きな声を出してはいけません。
自信ないけど、たぶんそうです。
昔の人はそれこそ、海に向かって叫んで喉をつぶして鍛えた、
なんて武勇伝を語ってくれたりしますけどね。
そうやって自分の身体をモノのように扱うのって、
ちょっと理解できないんですよねぇ~。
ムリせずに理想的な声を獲得できたほうがよくないですか?
前時代的な根性論は無用に願いたいものです。

地道かもしれませんが、この道が実は近道だと考えてください。
呼吸法を学んだ人は、あしたのために(その2)に進んでください。
入部希望者のあしたはどっちだ!