2020年4月14日火曜日

あしたのために(その3)

=発声=

さて、呼吸のつぎはいよいよ発声です。
すっと吸って、止めて、細く長く吐いて、また止めて。
できるようになりましたか?

ひとつ言い忘れておりましたが、呼吸は腹式をこころがけてください。
横隔膜を下げることで肺を膨らませてください。

足を肩幅よりちょっと広めにして立ちます。
立位体前屈ぅ~のようなレベルまで曲げることはありませんが、
上体を前に倒しながら吸うといいみたいですよ。
自然と深い呼吸になるみたいです。
声の材料となる空気をたくさん体内に取り込みましょう。

カラダの緊張は強からず弱からずニュートラル。
いわゆる脱力というヤツです。
よくワークショップに参加するとやらされるんですが、
床に寝て脱力するやつですね、あれが個人的に苦手でして、ええ。
「脱力してください」って言われると、かえって力が入っちゃうんですよね。

カラダが緊張しているときには、声帯も緊張しています。
そのままムリに発声するとのどを痛めてしまいますよ。
ウオーミングアップなしでいきなり全力疾走したらダメでしょ?

というわけで、まずはじめにM音(えむおん)というのをやります。
息を細く長く吐きながら、鼻腔にM音を響かせていきます。
イメージは低音で鼻歌を歌うカンジ?
鼻腔で響かせた声はよく通ります。
リキまずに客席に届く声が獲得できるはずです。
 のどからの発声しかできない人が、
 必死に大声を出そうとガンバッてるの、
 聞いててキツいっす。
このM音ですが、お風呂に入ってる時にやるといいですよ。
湿度の高い場所でやると、のどにやさしいみたいです。

小声で子守唄を歌うのもおススメです。
赤ちゃんを寝かしつけるようにやさしく歌ってください。
小声で歌うのは童謡が適していると思います。
個人的には「赤とんぼ」を好んで使っております。
リズムは自分の呼吸に合わせてしまって構いません。
ただし音階だけは正確にお願いします。
これ、セリフ回しがよくなるらしいです。

さて、というわけで、今回の通信教育は「発声」でした。
外出できない日々が続きますが、家の中でできることをやりましょう。
あしたはどっちだ!


BGM:FOURLEAVES『ODORIKO』

2020年4月11日土曜日

あしたのために(その2)

=身体訓練=

呼吸の話をする前に、声帯について触れなければいけませんでした。
みなさんの中にはご存知の方もござりましょうが、
声帯って小さい筋肉なんですね。
だから使う前に(声を出す前に)ウォーミングアップする必要がある。
カラダ全体をあたためる必要があります。
具体的には柔軟体操ということになります。

劇団ERAにおいて柔軟体操というのは、
矛盾した言い方みたいですけど、
体を柔軟にするのが目的ではありません。
自分の体と対話するために行なうものです。
体のすみずみに意識を向けることで、
やがて意識的に動かせるようになります。
意識的に動かすことで体の各部位が協調してきます。
そしてその結果として柔軟性が獲得されるのです。

無理をしてグイグイ曲げたりしては筋を痛めます。
また、激しい筋トレも必要ありません。
それはそれで目的が別にありますけど、
私たちの演劇には無用のものです。
それらは自分の体をモノとして扱うことです。

劇団では以前から以下の動画に合わせて柔軟体操をしてます。
よかったらご覧ください。

【運動しない方も必見!MeseMoa 式柔軟体操。】

https://www.youtube.com/watch?v=FF-hiOzUCYs




2020年4月10日金曜日

あしたのために(その1)


=呼吸法=

芝居にふさわしい声を発するため、
あるいは観客の呼吸を盗むため、
まずは無理のない呼吸法を身につけること。
声を出す前に、まず呼吸。

このさい体の緊張は強すぎず弱すぎず、
ニュートラルな状態を心がけるべし。
いわゆるよい姿勢をとる。
肺からの呼気が軟口蓋にムリなく当たるようにする。

※肺臓いっぱいに息を吸いこむ。
これ以上はムリというところまで吸いこんだら、
そのまま息を止めて2~3秒キープする。
で、苦しくなる手前でゆっくり息を吐き始めるが、
この際、歯の裏側に息を当てるべし。
「ス~」と音が出てしまっても構わない。
むしろ音を出すことに気を取られないように。
ゆっくりながく息を吐く。

 たまにいるんだよ、わざわざ「ス~」って音たてるヤツが。
 嫌いなんだよ、そういう手合いがさ。
 多少かじってきたヤツに多いから厄介なんだわ。
 本来の目的を見失ってんじゃねぇよ。
 ちゃんと息を吐くことに集中しろって思うわ。

吐き切ったらまた2~3秒キープする。
苦しくなる手前で今度は「スン」っと速く息を吸い込む。
(※にもどる)


初心者はいきなり大きな声を出してはいけません。
自信ないけど、たぶんそうです。
昔の人はそれこそ、海に向かって叫んで喉をつぶして鍛えた、
なんて武勇伝を語ってくれたりしますけどね。
そうやって自分の身体をモノのように扱うのって、
ちょっと理解できないんですよねぇ~。
ムリせずに理想的な声を獲得できたほうがよくないですか?
前時代的な根性論は無用に願いたいものです。

地道かもしれませんが、この道が実は近道だと考えてください。
呼吸法を学んだ人は、あしたのために(その2)に進んでください。
入部希望者のあしたはどっちだ!

2020年4月1日水曜日

演劇部ではあなたの入部をお待ちしております!


さて、今回は普通に部活動紹介です。

劇団ERAでは一緒に舞台を作ってくれる仲間を募集しています。
私たちが目指しているのは独創的な舞台です。
まだ誰も見たことのない舞台を客席にお届けすることを目標にしています。
これを実践するために、次のような人を受け入れたいと思います。

あ、もちろん入部したあとでそういう人になってくれても構わないわけで、
(むしろそういう人のほうが中心になると思うけど)
そういう人を養成しているのが演劇部だ、とも言える。

1)他者と積極的に関われる人
本校の演劇部ではコミュニケーション能力が必須です。
共演者との関係や演出との関係がギクシャクしていたら稽古に影響がでます。
同様に音響さんや照明さんにもコミュニケーション能力は必要ですよ。
円滑な人間関係を自分から築いていける人が望まれます。
だから日常の生活から対話が苦手な人には演劇部は難しいかな~。
また、私たちは校外での公演も積極的に行っています。
むしろ校外の方が多いのではなかろうか。
そのため外部団体(他校の演劇部さんだけじゃなく)の方とも多く知り合う機会があります。

2)演劇の知識を探究・追求する心を常に忘れない人
あたりまえですが演劇に対する情熱が必要です。
自ら課題を発見し解決のために努力できる人が望まれます。
研究熱心な人は大歓迎なんです。
また、私たちは創作作品を専門に上演する劇団です。
演劇の可能性を拡張する演劇実験を含んだ脚本を創作しています。
普通の高校演劇じゃ満足できない人なら相性バッチリです。

3)表現方法としての演劇の特性を理解している人
私たちは役者が舞台に生身をさらすことの意味をちゃんと考えます。
演劇が小説や漫画や映画ではないことの意味を重く受け止めます。
つまり口先だけのセリフ回しで凌いでる役者はウチには存在しません。
声優さんだって唄って踊れてナンボでしょ?
また、私たちはお客さまの快適が第一だと考えてます。
お客さまの存在なくして舞台はあり得ません。
だから無観客公演なんて悲しくてできません!
お客さまをないがしろにした独善的な演技論を激しく否定します。
賛同してくれる人に入部してもらいたいと思います。


……なぁんて書くとなんだか敷居が高そうですが、
入部していただくにあたって、特別な試験を課すことはありません。
仮入部期間(4月いっぱい)を経て、
みなさんと私たちの合意が得られたのちに、
晴れて入部届を提出していただきます。
正式な入部は春季地区発表会(6月)の芝居を一緒に作ってから、
ということになりますが。

まぁ~とにかく百聞は一見に如かずと申します。
一度見学にいらしてください。
大学1号館4階の401教室で活動してます。