2020年3月17日火曜日

カラフルの4人娘

『汚れつちまつた』で採用した人物配置は、
やっぱり王道パターンだと思ってます。
そもそも『カラフル』という先行作品がありまして、
こちらは何度となく再演を繰り返しているんですが、
この作品から登場人物をまんま流用しております。
① 翻弄される主人公(千鶴)
② お調子者(舞子)
③ 真面目な優等生(サエ)
④ 不思議ちゃん(由利)
オトナの視点は
⑤ トラブルメーカー(小島さん)
がその役割を担っています。
これに⑥ 担任の入山先生が加わります。

この物語の原案というか元ネタというか源泉になっているのが、
その昔NHKのラジオドラマで聴いた『大誘拐』です。
ミヤコ蝶々さんが主役を演じてらっしゃいました。
物語の細部は今となってはよく憶えていないんですが、
誘拐犯グループと誘拐されたおばあちゃんとの立場が逆転するんです。
おばあちゃんが犯人たちに犯罪の手ほどきをするんですよ。
犯人を犯人に仕立てあげるって今考えると『熱海殺人事件』みたいですね。
『カラフル』では小島さんが「学校襲撃犯」らしい演技を要求されます。

ところで役名の千鶴・舞子・サエ・由利なんですがね。
いまだかつて「夏芙蓉でしょ?」って言われたことないんですが。
大丈夫なんですかね。

2020年3月16日月曜日

簡単な創作の方法

明智光秀はなぜ織田信長を討ったのか?
この戦国最大の謎に挑むのが拙作『ナイロン~本能寺の変・編~』です。
今年の大河ドラマは明智光秀が主役なんですってね。
あらまぁ偶然ですねぇ~。
ウチらが昨年末に上演した『ナイロン』が、
どこまで大河の内容を預言していたか、
それを検証するため毎週欠かさず視聴しています。

この『ナイロン』というのは、
容を限定して議することを略して言ったものです。
じゃあナイゲンじゃないのかってツッコミは野暮ですよ。
そもそもナイゲンのパクリなんですから!
自分で言うのもナンですが、話の構造はごくごく単純なんです。
登場するのは数名の高校生です。
彼らが本能寺の変をテーマにあれこれ論議します。
取り扱う人物(ここでは光秀)の心情に肉薄する手段として、
「演じる」ことを選ぶのです。

彼らには以下のような設定をしました。
① 翻弄される主人公(高山)
② 真面目な優等生(大垣)
③ お調子者(笠松)
④ 脳筋部活命(長森)
④ 情報弱者(鵜沼)
⑤ 飛び道具(中津川)

え~、実は似た構造の作品に『汚れつちまつた悲しみは……』があります。
2018年の秋季地区発表会で上演しました。
こちらは中原中也がテーマです。
メインは高校生3人と教育実習生です。
① 翻弄される主人公(千鶴)
② お調子者(舞子)
③ 真面目な優等生(サエ)
④ 進行役(由利先生)
そこに担任の先生が加わります。
オトナの視点を入れることで客観性が担保されます。
⑤ 助言者(小島先生)

こんなふうに役割が先行する台本は珍しいんですよ。
ほとんどの場合は「あてがき」してますから。
だからウチの稽古場では役者はおとなしくしていてはいけません。
自分はこんなことができる(あるいはできない)をアピールせにゃならんのです。
そこでは恥とか遠慮とかいう概念は邪魔なだけです。

ちなみに暴言を吐きますがね、
この「ナイロン」は台本が簡単に創作できちゃうんです。
なんてったってテーマを差し替えるだけで量産が可能なんですから。
素材は教科書に出てくる内容でいいんです。
ジャンルは歴史や文学がベストマッチ! 
歴史上の人物の波乱の生涯を描けばホラ完成。
小説の登場人物をエキセントリックに演じればアラ簡単。
だから、ウチらはこの創作方法をしばらく封印することにしました。
封印ということは、またいつかやるってことですけどね。

さてさて、『捨てられた島』に続いて、
新歓公演『13階の月光』もお蔵入りしちゃいました。
ってことは……次は春大ですね。
えっ! それホント?
劇団員の脳ミソを総動員して創作しましょう。
がんばっていきまっしょい!

2020年3月11日水曜日

練習体験会のご案内

まだ活動再開の見通しは不透明ですが、告知します。

≪練習体験会のご案内≫
日 時 4月8日以降の毎日放課後
場 所 大学1号館401教室
内 容 演劇部の練習体験
持ち物 動きやすい服装、運動靴
    ※中学校で使用していたもので結構です。
見学のみの参加でも歓迎です。
演劇部の説明会も同時に開催します。
ぜひ、お気軽に401教室をのぞいてみてください!

≪演劇部のご紹介≫
本校の演劇部には、使用させていただいている専用の教室があります。
音響・照明機材が常時組んでありますので、スタッフワークの練習にも困りません。
練習日は月・火・水・木の16時00分~18時30分と、
土曜日の13時00分~18時30分の、週休2日制です。
日曜・祝日は基本的にお休みですが、公演が近くなると練習があります。
また、富里近隣センター(柏駅から徒歩圏内)で活動することもあります。
昨年の夏休みにはトレーニングの一環として、箱根に温泉合宿に行きました。
演劇は分野を超越する総合芸術なので、さまざまな能力の伸長が期待できます。
まず、台本解釈の能力を身につけることで、現代文の授業の理解度がUPします。
そして、ことばを用いた表現力「話す・書く」を身につけることができます。
柔軟・筋トレはもちろん、殺陣のための打撃練習(ミット打ち)や剣戟練習(剣さばき)をすることで体力増進も期待できます。

≪こんな人におススメ≫
演劇に興味がある(必須)
体を動かすのが大好き
人として最低限の礼儀を身につけたい
普通の高校生活は送りたくない
体力をもてあましている
音楽が好きだし踊ることも好き
物語を創作したい
友だちをいっぱい作りたい
表現する仕事にあこがれている
価値のある高校生活にしたい

とにかく充実した学生生活を送りたいあなたに!
演劇部なら自分の未来につながるヒントが得られます。

こんな職業を目指している人もぜひ!
・保育士、幼稚園教諭
・作家、編集者、イラストレーター
・服飾デザイナー、パタンナー
・デジタルサウンドクリエイター、作曲家、演奏家
・振付師、ダンサー
・アナウンサー、声優

それでは、401教室でお待ちしています。

2020年3月7日土曜日

創作№58『捨てられた島』

引き続き落語の話題で恐縮です。
桂文枝師匠が創作№300達成とのこと。
偉業達成、おめでとうございます。
師匠、どうせ見てないですけどね。

落語もこれでなかなか制約の多いジャンルですから、
その枠の中で300創るってのは並大抵のことじゃありません。
あえて「枠」と言わせてもらいます。
今回は感染拡大防止のため無観客で口演したということですが、
どう考えたってお客さんに聴いて欲しかったはずです。
前の高座名「三枝」にかけて、
3/4に発表したかったんですって。

新作落語の中にもいろいろありますな。
これは個人的な好みですが、
サラリーマンがネクタイを緩めながら、
「どうだい、一杯」なんてのは勘弁してほしい。
それじゃあ落語である必要がないと思うんですよ。
僕らの中で創作っていうものは、
ジャンルの持つ制約の中でやるものなんです。
着物姿で座布団に乗って、
手には扇子と手拭いだけ。
型を守ってその中でどれだけ遊べるか、
いかに新作と気付かせないように造り込むか、
なんじゃないんですかね。

演劇なんて落語に比べりゃ自由度が高い。
でも無観客はあり得ないと思ってます。
僕たちははじめ、観客として演劇に触れました。
そこで観た舞台に何かを感じたから、演じる側に回ったんです。
舞台の上から今度はお客さまに何かを感じてもらいたい。
所詮は素人ですからうまくいくはずないんですが。
この考えをおこがましいと一蹴しますか?

独り善がりの演技には辟易してるんです。
なぜならそれって観客をないがしろにしてるから。
板の上だけで感情の受け渡しをしているようでは、
それじゃ客席とのコミュニケーションが欠けてますからね。
だから内輪ネタが嫌いなんですよ。

自己啓発セミナーもどきのワークショップで、
演劇的手法を用いることを否定はしません。
それはそれでニーズがあるのも理解できてます。
別にいいんじゃないですかね。
ただしそれはそもそも演劇ではない。
それどころか表現ですらない。
受け手があってこその表現でしょ?
まぁ言葉の使い方の問題なんでしょうけどね。
でも僕らの演りたい演劇とは相容れません。
僕らの感覚では無観客芝居はあり得ないんです。
僕らの創る演劇はお客さまがいなければ成立しないんです。

ちなみに「新作」ってのは、
明治以降に新たに創作された落語のことです。