そりゃあ傑出した演技力をお持ちの役者さんはそれはそれで素晴らしい。
しかしその役者さんの魅力を最大限に発揮するには、
やっぱり「座組み」=関係性って大事なんじゃないかと思うんです。
演技力なんてものは個人に備わってるものも確かにあるかもしれないけれども、
その能力を最大限に引き出してくれるのはやっぱり同じ板に乗ってる共演者です。
それじゃ一人芝居ならどうするんだって言われそうですが、
それだって音響や照明との気味合いってもんがありますから。
その芝居を成立させているスタッフも含めて、
もっと言えばその日の観客も含めて考えなけりゃいけない。
若いのに演技力がとかなんとか言われてる役者さんもいますけど、
たまたま共演者に恵まれてたんじゃないかなってことも考えていい気がします。
え、事務所の力って要素があるじゃないかって?
役者個人の演技力なんてものは幻想に過ぎないかも知れません。
肝腎なのは観客がどう受け取ったかですから。
個人の感想でありすべての使用者に同様の効果を保証するものではありません。
観客が「勝手に」感動してああこの役者は演技が巧いねなんて言うんです。
自分が感じたものの「正解」を役者個人の資質に求めて納得してるんです。
それが悪いってわけじゃないですよ。
それはそれで楽しみ方としては間違ってないですから。
役者が巧いから自分が感動したのか自分を感動させたから巧いと思うのか、
どっちがどうとか答えを出す必要もないですけどね。
女優さんをつかまえて美人だどうだって言ってるのも同じで、
それだってその女優さんがそもそも美人なんじゃなくて、
自分が持ってる美人の基準に合致してるだけかも知れんのです。
絶対的な美の基準なんて存在しないでしょ?
基準はいつだって自分の側にある。
自分が「勝手に」判断してる。
どっちがどうとか答えを出す必要もないですけどね。
たしかに個人プレーじゃ成り立たないものです。
4番バッターだけひとりで頑張っても野球の試合には勝てません。
どこかの球団みたいに4番クラスばかり集めて打線を組んでも、
そんな試合は面白くはならないはずですがどうでしょう。
まあそれでも勝ちさえすればいいって発想なら仕方ないですが、
芝居は面白くなけりゃいけないんで。
はっ、違うんですか!?
とにかく魅力的な舞台にはならないんじゃないですか。
だから世間並みに言われてる「演技がうまい」はあてにならないと思うし、
「美人女優」という評価もこれまた胡散臭いと思っちゃうんです。
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