劇団ERAの場合、それほど人数も多くありませんので、裏方専門のスタッフは置いていません。
たとえ裏方志望の新人が来ても、一度は必ず舞台に立ってもらいます。
役者の気持ちを理解できない者に、スタッフは務まらないと考えているからです。
それとは別の理由で、
舞台装置を作るのも役者です。
これは単純に、全員で作った方が効率がいい。完成が早い。
しかも、装置の建て込みも速くなる。
そこで必要になるのが、手工具類ですね。
生徒会から借りてくるのも結構ですが、ここはひとつマイ工具をそろえましょう。
個人持ちの道具なら、しっかりとメンテナンスも行き届きます。
いちいち返却にいくのも面倒ですしね。
まずは、基本中の基本です。作業中のケガを防ぐためにも、手の保護を。
軍手という選択肢もありますが、オススメは豚革の手袋。
この手袋の良いところは、灯体を触っても熱くない!綱元を操作しても綱のささくれが刺さらない!
というところですね。
さて、舞台装置の素材はおもに木材です。だから切れ味のよい「のこぎり」が必要です。
ホームセンターに行くといろんな種類が並んでいて目移りしますが、ウチで推奨しているのは、折り込み鋸です。
持ち運びに便利とか、そういう理由ではありません。歯が剥き出しだと危ないからです。
舞台では長さを表すのに「尺」を使います。だから「尺目盛」が付いているメジャーを使います。
尺や寸の感覚を身につけておかないと、舞台ではなにかと不便ですよ。
ちなみに、稽古場の床のタイルは、一片が一尺になっています。
装置を精密に作ることが、安全につながります。正確に直角を出すために使うのが曲尺です。
床に置いてはいけませんよ。うっかり踏んだりしたら、直角が狂ってしまいます。
釘を打つための道具が、通称「なぐり」です。ただの金槌じゃありません。
舞台用に開発された専用工具です(たぶん)。
結構アタマが重いので、2寸釘でも簡単に打ち込めます。
叩く側の反対には、簡易な釘抜きが付いていますよ。
実際に釘を抜く時には小ガチを使いましょう。
ネジを使うこともあります。軸の径が太い(大きい)と小さい力で楽に回すことができます。
ネジ山が潰れてしまったらプライヤーで回しましょう。
これらを収納するためにガチ袋。こちらはお好みでお使いください。
装置を作る時には使いません。道具箱を置いて作業ができる場合には登場しません。
ガチ袋を腰に装着するためのベルト。
どうですか、一式。花嫁道具にも最適。
期末考査が終わったら、松陵祭に向けての装置作りが始まります。
がんばっていきまっしょい!